知恵郎の知恵袋

リタイア後でも活用できる株主優待の選び方

2021-03-28, 2020-01-13

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現役時代だけでなく、退職後のセカンドライフをも見据えて、有用な株主優待を取得しておくべきです。例えば、ベネフィット・ワンやリログループの福利厚生サービス、ANAの運賃補助券などです。

リタイア後も見越した株主優待

退職のタイミングは人それぞれですが、在職時からリタイア後に向けていろいろと備えておく必要があります。その一つが退職前は当然のように利用できていた福利厚生サービスです。在職時は仕事で時間が取れず福利厚生サービスをほとんど使えていない方も、リタイア後は毎日が休日ですので活用の機会がきっとあります。また、飛行機を使った国内旅行の機会もあるかと思いますが、割引料金で自由に日程変更できるチケットがあると安心できます。他にも充実した退職後の生活を送るのに必要なものはたくさんあるでしょう。そして、在職中にそれら必要なものの入手先について、ある程度目途をつけておくと安心できます。

さて、そのようなリタイア後に必要なものの一部は、株主優待で賄えます。株主優待は、日本独特の制度なのですが、企業によっては有用な優待が提供されています。この優待をうまく活用できれば、リタイア後の充実した生活の一助になります。ただ、株主優待には多くの種類がありますので、使い勝手の良い優待を在職中に順次取得していく必要があります。

リタイア生活に適した株主優待の選び方

オリジナル優待を選ぶ

基本的にその企業独自の商品やサービスを得られる株主優待を狙うとよいでしょう。せっかくの株主優待が、どこでも簡単に手に入るものだと意味がないですので、オリジナル優待に絞りましょう。また、企業独自のものであれば、優待改悪のリスクが低減されます。

使いどころに困らない優待を選ぶ

もうひとつの選別の観点としては、全国どこにいても利用価値がある優待を選ぶ必要があります。引っ越し等で住む場所が変わったときに、使い勝手が悪くなる優待は不要です。また、全国展開していたとしても、ファーストフード系の優待はやめておきましょう。そのようなジャンクフードを体が受けつけるのは若い間だけです。また、ファーストフード系の優待を提供する企業株は人気で割高なものが多いです。

優待は高利回りの100株で、かつ50万円未満を基本とする

株主優待は基本的には1単元(100株)保有から提供され、その必要投資額も50万円未満が多いです。ですので、その範囲内から選別しましょう。一方、優待が設定されていたとしても、数100株保有しないともらえなかったり、100株であっても投資額が50万円以上になる株もあります。そのような個別株への高額投資は、元本割れのリスクを考えた場合、控えた方が無難です。急ぎでなければ、株式分割や市場の暴落を気長に待ちましょう。

なお、多くの銘柄の場合、100株が最も優待利回りが大きいです。200株保有したい場合は、自分の口座で100株、家族の口座で100株といったように名義を分散するといった手もあります。

蛇足ですが、優待を設定している日本株の優待利回りは、単元が多くなると低下していきます。ですので、日本株で構成されるインデックスに連動した投資信託や上場投資信託の利回りも相対的に低いです。ですので、知恵郎は、日本株では優待狙いの個別株投資のみしています。投資信託や上場投資信託は、優待制度のない外国株をメインにしています。

優待目当てなら特定口座がお勧め

優待が主目的なら、NISAでなく、特定口座の利用をお勧めします。優待には税金がかからないためです(厳密には確定申告が必要ですが)。配当や値上がりが期待できるならNISAでも問題ありません。ちなみに、知恵郎はつみたてNISAを選択しているので、個別株は特定口座一択です。

知恵郎が保有している企業株の優待紹介

知恵郎保有銘柄ロゴ

知恵郎は以下の株主です。それぞれの優待に関して紹介します。

福利厚生サービスのべネフィット・ワン (2412)とリログループ(8876)

概要説明

より気持ちよく社員に働いてもらうために、企業では様々な福利厚生制度を活用しています。しかし多岐に渡る福利厚生を単独の企業(特に中小企業)で提供することは、非効率です。そこで、近年は福利厚生の外注化、すなわちアウトソーシング化が一般的になりつつあります。

そして、それらアウトソーシング担うのが、ベネフィット・ワンやリログループです。それぞれ、巨大な福利厚生プラットフォームであるベネフィット・ステーションクラブオフを運営しています。 それぞれ月額使用料が必要なのですが、株主に対しては無料で利用権を提供しています。

これらのサービスは、主に宿泊施設、レストラン、レジャー施設などの割引が主です。詳細は、ベネフィット・ステーションやクラブオフのリンク先から確認ください。ログインしなくても、個々のサービス案件の詳細を確認できます。初めての方は、地図からの検索で自分のお住まいの近くを検索されると良いかと思います。あまりのサービスの多さにびっくりされるでしょう。

さて、この割引サービスですが、回数制限もほとんどなく膨大な案件があるため、使い方によっては、株価に対する優待利回りが非常に大きくなり、優待にレバレッジがかかります。なお、他の多くの銘柄の株主優待は、使い切りで利回りも数%です。

なお、優待適用範囲は、株主だけでなく配偶者や二親等までの親族が利用できます。家族旅行でも活用できますね。

この2つのサービスですが、どちらも使える権利を維持しておくとサービスの漏れが少なくなります。ですので、どちらの株主優待も積極的に狙っていきたいところです。

必要株数と優待

べネフィット・ワン (2412)

べネフィット・ワンの株主優待は、以下の表のとおり100株からです。権利確定月は3月です。

保有株数 株主優待
100~799株 ベネフィット・ステーション
株主様コースA
800株以上 ベネフィット・ステーション
株主様コースB

株主様コースAとBの違いは、主に宿泊割引の割引率です。Bの方が割引が大きいです。株主様コースBは必要投資額も大きくリスクも伴いますので、まずは100株だけ投資して株主様コースAの権利を得ましょう。

知恵郎は、100株保有して、コースAの利用権があります。初回だけカードが発行されます。

ベネフィット・ステーション会員証
リログループ(8876)

リログループの株主優待は、以下の表のとおり100株からです。権利確定月は3月です。

保有株数 株主優待
100~999株 スタンダード会員
1000株以上 VIP会員

VIP会員の場合はスタンダード会員よりもお得なサービスが提供されますが、投資額が最低でも10倍必要です。まずは100株のみの投資で、スタンダード会員の権利を得ましょう。

知恵郎は、100株保有して、スタンダード会員の利用権があります。

クラブオフ会員番号通知

福利厚生サービスのバリューHR(6078)

概要説明

バリューHRは、福利厚生サービスとしてバリューカフェテリアを提供しています。これは、先に紹介したベネフィット・ステーションやクラブオフのようなサービスなのですが、サービスの選択肢がやや狭いです。ただ、健康管理・健康食品・生活支援などのサービスも提供されていますので、老後に役立ちそうです。株主優待では、このカフェテリアサービスが利用できますので、リタイアまでには保有しておきたい銘柄です。

必要株数と優待

バリューHRの株主優待は、バリューカフェテリア年会費無料の他に、バリューカフェテリアで利用可能なポイントの付与です。ポイント付与数は下記のとおりです。1ポイント=1円の価値があります。

保有株数 1年未満
(ポイント)
1年以上
(ポイント)
3年以上
(ポイント)
100~199株 2,500 3,500 5,000
200~299株 5,000 7,500 10,000
300~499株 7,500 10,000 12,500
500~999株 10,000 12,500 15,000
1,000
~1,999株
15,000 17,000 20,000
2,000株以上 30,000 32,000 35,000

保有年数に応じたポイント数優遇があります。100株または200株が最もポイント付与効率が良いです。3年以上寝かしておきましょう。

なお、クロス取引制度によるなんちゃって超短期株主との差別化が必要なので、このような長期保有株主への優遇システムがあります。

知恵郎は、200株長期保有しています。今のところ、ポイントは全部サプリメント(フィッシュオイル)と交換しています。フィッシュオイルは、EPA・DHAが豊富に含まれていますので、健康に良いと考えています。

フィッシュオイル

子会社でサプリメントを作っているSBIホールディングス(8473)

概要説明

リタイア後は、サプリメントによる継続的な栄養補助が必要になってきます。株主優待に自社サプリメントを設定している企業はいくつかありますが、SBIホールディングスの場合は、子会社であるSBIアラプロモのサプリメント製品を優待にしています。

このサプリメントには、ALA(5-アミノレブリン酸 の略)という、健康に良いとされる発酵食品や緑黄色野菜に多く含まれるアミノ酸が含まれています。SBIアラプロモは、このALAを微生物を用いて発酵法で製造しており、サプリメントや化粧品等の利用しやすい製品にして販売しています。

SBIホールディングスは、また高配当銘柄としても知られており、100株の場合の配当と優待を合わせた利回りは比較的高いです。

必要株数と優待

SBIホールディングスの株主優待は、以下の表のとおり100株からです。権利確定月は3月です。なお、以下の商品セットの代わりに暗号資産であるXRPを選択することもできますが、ここでは紹介しません。

保有株数 株主優待
1~99株 サプリメント等50%割引の
購入申込券を1枚
100~999株 以下の無料引換券
・アラプラスゴールド(90粒)1個
・からだアクティブ(14つ)1個
・発芽玄米の底力(160g)3袋
1,000株以上
かつ保有1年超
以下の無料引換券
・アラプラスゴールド(90粒)1個
・からだアクティブ(14つ)1個
・発芽玄米の底力(160g)3袋
・アラプラスゴールド(270粒)1個
・モイスチャライジングクリーム 1個
・エッセンシャルローション 1個
・ディープクレンジングジェル 1個
・ピュアクレイウォッシュ 1個
・ボディクリーム アラピ 1個

100株保有からALAを含んだサプリメントの無料引換券がいただけます。

さらに1,000株集めて1年を超えて長期保有すれば、サプリメントも増えて、化粧品も追加されます。ただ、1,000株は投資額が大きくリスクがあります。まずは100株だけ投資しておくとよいでしょう。

なお、注意点として、まず無料引換券が届きますので、その引換申込が必要です。何もしなければ、商品は届きません。

知恵郎は、100株保有していますので、以下の商品がいただけます。

SBI株主優待品

特にアラプラスゴールドに価値を見出しています。

アラプラスゴールド

航空会社のANAホールディングス(9202)や日本航空(9201)

概要説明

快適に全国津々浦々の旅をしたいなら、ANAホールディングス(ANA)や日本航空(JAL)の株主優待券は役に立ちます。ANAとJALは、それぞれ全国の主要地域を空路で結び、フルサービスエアラインとして充実した空の旅を提供してくれます。株主優待を利用すれば、普通運賃の半額で航空券を購入できます。普通運賃と同じサービスが得られますので、旅行当日でも予約できますし、旅行予定が変更になったときはフライトの延期も可能です。また、株主優待券の使用予定が無くても、比較的流動性があるので、金券ショップやオークション等で売却できます。総じて、とても使い勝手がよいです。

ここで大切なことは、ANAかJALどちらかを選択するということです。マイルやステータスを貯める観点から、一方に利用を集中すべきだからです。往きはマイルを使った特典航空券で、帰りは株主優待の半額航空券で、といった旅行も可能です。

知恵郎は、SFC会員でエアラインの利用をANAに集中させているため、ANAの株を100株保有しています。JAL(9201)株についても、航空業界を盛り上げる目的で保有してもよいかもしれません。ただ、その役目はJGC会員の皆様にお任せします。

必要株数と優待

ANAホールディングス(9202)

ANAの株主優待は、以下の表のとおり100株からです。権利確定月は3月と9月で、年に2回優待がもらえます。

保有株数 株主優待
3月
株主優待
9月
100株以上 ・株主優待番号案内書
・ANA各社優待
・提携ホテル優待
・株主優待番号案内書
・ANA各社優待
・提携ホテル優待
・カレンダー

株主優待番号案内書が、いわゆる株主優待券です。実はその他にもANAグループ各社の割引券がありますが、あまり使いどころがないです。あと、あまり知られていないですが、9月は飛行機の写真のカレンダー付きです。

保有株数 株主優待番号枚数
(株主優待券枚数)
3月
株主優待番号枚数
(株主優待券枚数)
9月
100~199株 1枚 1枚
200~299株 2枚 2枚
300~399株 3枚 3枚
400~999株 4枚 4枚
1,000
~99,999株
7枚
+1,000株超過分
400株ごとに1枚
7枚
+1,000株超過分
400株ごとに1枚
10万株以上 254枚
+10万株超過分
800株ごとに1枚
254枚
+10万株超過分
800株ごとに1枚

400株を超えると株主優待券1枚当たりの単価が大きくなるので、上限は400株までですね。ただ、100株からカレンダー(優待券とは別送)がもらえますので、100株が最も優待利回りが良いです。

ちなみに、長期投資だとあまり気になりませんが、カレンダーは9月のほうです。

ANA株主優待

3月はカレンダーの権利がありません。

ANA株主優待

なお、JAL派の方は、JALの株主優待を参照ください。実はJALの方が、株主還元に積極的です。

株主優待は生涯付き合えるものを選ぼう

資産運用の基本はインデックス投資ですので、本来個別株である株主優待銘柄への投資はリスクが高いです。しかし、優待利回り(+配当利回り)が高く、長期保有を前提とした投資であれば、資産の一部を割いて投資してもよいと考えます。その場合は、リタイア後を見据えて、生涯付き合える優待を選びましょう。本記事で紹介した銘柄は、あくまで知恵郎が個人的に集めている株ですので、参考程度にお考え下さい。ただ、べネフィット・ワン (2412)とリログループ(8876)は、優待がかなりお得なので本当にお勧めです。



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