原作:余湖祐輝、作画:田畑由秋「コミックマスターJ」全13巻

5.0

「コミックマスターJ」のあらすじ・感想を紹介します。

あらすじ

あらゆる漫画家のタッチを再現でき、驚異のスピードで漫画を描き上げる伝説のスーパーアシスタント、コミックマスターJ。連載漫画の原稿が締め切りに間に合わず窮地に陥るとき、漫画家や担当は500万円依頼料でJに原稿作成を頼む。しかし、Jは魂のある作品の手助けしか引き受けないのだった。そして、さまざまな漫画雑誌、漫画家、担当たちだけでなく、さらには世界までもが、コミックマスターJに影響されていくのだった。

感想

漫画をネタにした漫画は数多くあるものの、それらのなかで最も素晴らしい作品がこのコミックマスターJです。さまざまな事情で締め切りに間に合わない漫画家たちが、最後に頼る超人的ゴーストアシスタントがコミックマスターJです。しかしながら、Jは依頼があったとしても、つまらない漫画は歯牙にもかけず、面白い漫画であっても本当の窮地に陥るまで引き受けません。本気で取り組む才能ある漫画家たちだけが生き残るべきだ、と考えているのです。そのJの心震える名台詞に触発されて奮起し、自分の限界を超える漫画家たちの姿がこの作品の一番の見所です。

一方で、消えていく漫画家たちも描かれており、漫画業界が厳しい世界であることも伝えています。この作品では、さらに娯楽の中での漫画のシェア低下、出版不況、販売委託制度、新古書店の台頭、児童ポルノ法、デジタル化の波、低賃金など、漫画業界にとって逆風である様々な問題も取り上げています。しかし、そのような問題があったとしても、漫画家がクオリティの高い漫画を描き続けることが唯一の解であると主張しています。

実際、余湖裕輝先生と田畑由秋先生のコンビは、その後も傑作漫画を生み出し続けています。そして、このコミックマスターJは、彼らの初の長編作品です。初めの方の巻では、やや絵が拙いと思われるかもしれませんが、巻を重ねる毎に画力は急激に向上していきます。ストーリーについては、Jの目的が明らかになる後半から一気に加速して、クライマックスに向けて読者の予想を超えてきます。ジャンルが漫画の作品と侮って読んでいるとびっくりしますよ。

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