岩原裕二「ディメンションW」全16巻

5.0

「ディメンションW」のあらすじ・感想を紹介します。

出典:Dimension W

あらすじ

X, Y, Zの他にWという4番目の次元(ディメンションW)がある世界、天才物理学者、百合崎(ゆりざき)博士が開発したコイル(次元間電磁誘導装置)により、人々はディメンジョンWから無尽蔵にエネルギー取り出して発展してきた。そのコイルは博士が創立したニューテスラエナジーにより管理されていたが、規格外の力を取り出せる不正コイルも存在して犯罪に使われていた。

そのような不正品を回収する回収屋のキョーマは、百合埼の娘と主張する高精度のナノマシンで構成されたアンドロイドのミラと出会った。彼女は、他のアンドロイドよりも感情表現が豊かであり、キョーマと共に暮らすことになる。彼らは、回収屋としての仕事をして、反発しつつもお互いを理解していく。そんな彼らは、しだいに迫りくるディメンションWに関わるそれぞれの特別な役割を果たそうと仲間と共に立ち向かっていく。

出典:Dimension W

感想

だんだんとスケールアップする話が面白かったです。最初は回収屋とそのサポートをするアンドロイドの話かと思っていたら、ニューテスラエナジーの次元管理局の精鋭部隊Qiが登場し、不正コイルでも強力なナンバーズコイルが登場し、キョーマが超人部隊グレンデルの一員であったことが明らかになり、ディメンションWの具現化事故であるイースター島事件が語られ、エネルギーが0の虚無という現象が明らかになり、次元転送装置やその駆動のためのジェネシスという最強のコイルが登場し、シンジケートという秘密組織が暗躍し、世界の一部がすでに虚無に落ちていることが明らかになり、箱舟計画が語られ、ミラのコイルが百合崎博士開発の特別なジェネシスに次ぐコイルであることが判明し……、と次々と話が盛り上がっていきました(これらのキーワードの意味が分からないと思いますが、読めばワクワクする展開がどんどん追加されていくと思ってください)。このように追加要素がてんこ盛りですが、様々な要素が絡み合いながらもしっかりと繋がっており、話の構成はしっかりしています。最初から最後までストーリーを楽しめました。

出典:Dimension W

この漫画は、SF色満載なのですが、根底にあるのはホームドラマです。ストーリーは主に前半のキョーマの過去清算、後半のミラの感情発達に分かれています。どちらにおいても、話が進むにつれて少しずつ明らかになる真実(SF)とキョーマとミラの絆が強くなっていく過程(ドラマ)が描かれます。そこに、信頼できる仲間達との関わりやしっかりと描かれたアクションシーンが彩りよく散りばめられています。全方位満足できる大作になっています。

出典:Dimension W

SFの肝であるディメンションWも良い設定でした。ディメンションWは、記憶軸であり、可能性という振れ幅を持つエネルギーが存在します。そして、ディメンションWは無尽蔵のエネルギーを生み出すだけでなく、過去の記憶を辿り、事象を具現化し、空間を転移するまで展開されます。そのようなSFの設定を構築し、ここまでの大きなスケールの新しい世界観を作り上げた岩原先生には脱帽します。そして、その可能性を飛躍させるものが最後にミラから語られますが、読者はその解に「にやっ」と笑うでしょう。

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