原作:河田雄志、作画:行徒「ドン・キホーテ 憂い顔の騎士 その愛」全2巻

5.0

「ドン・キホーテ 憂い顔の騎士 その愛」のあらすじ・感想を紹介します。

あらすじ

騎士道が廃れて久しい16世紀のスペイン、さえない中年のアンソロは、にわかに騎士道物語を読み漁り、偉大なる騎士になるべく鍛錬を始めた。周りからは現実と物語の区別がつかなくなっていると呆れられたが、アンソロは架空の存在のドルネシア姫のためにドン・キホーテという名の騎士になると言う。そして、嫌がる従者のサンチョと愛馬ロシナンテとともに冒険の旅に出た。正義をなす偉大なる騎士の物語が、スペインの風に乗り親愛なるドルネシア姫の耳に届くのだろうか。

感想

絵からは想像できないかもしれませんが、この漫画はコメディ色が強いです。話の大部分は、旅の先々で騒動に巻き込まれる流浪の正義の騎士ドン・キホーテが、その問題を解決するというものです。ただ、中身はさえない中年のアンソロなので、あまり格好のよい場面はありません。むしろ行動や発言が突飛すぎて、シュールな笑いを誘います。行徒先生の絵はたいへん綺麗なのですが、その綺麗なキャラクターでコメディが描かれるという珍しい作品です。皮肉が分かる大人向けの作品かもしれません。

この作品は、有名な古典のドン・キホーテのオマージュでもあります。前半のストーリーは古典の設定に沿っていますが、中盤、特にラストはストーリーの根幹にかかわる設定が完全に異なっています。そして、その設定変更が意外で大変素晴らしく、古典を超える面白さとなっています。読み始めはさえない空想癖のある中年のアンソロがサンチョ達を振り回す話だと思っていましたが、アンソロは最初からある明確な目的をもって行動していたことが終盤で分かります。その目的が判明したときには、とても盛り上がり胸が熱くなります。オマージュ作品としては大成功したと言えるでしょう。

既刊一覧は、Amazon Kindleまたは楽天Koboで確認できます。

その他の傑作漫画は、下記にまとめています。時間があればどうぞ。

絵が綺麗で面白いおすすめオリジナル漫画まとめ(完結多めでKindleなどの電子版対応)
綺麗な絵で描かれた面白いオリジナルストーリーの名作漫画を厳選して紹介します。あらすじ、感想(レビュー)、試し読みの情報があります。また、Kindle等の電子版に対応しており即読み可能です。

コメント