宮下裕樹「正義警官モンジュ」全12巻

5.0

「正義警官モンジュ」のあらすじ・感想を紹介します。

あらすじ

対犯罪用汎用兵器なのに片田舎の飛ばされたロボットのモンジュは、スケベな巡査の山岸と、モンジュを追いかけてきたロボットフェチの神谷とともに、交番勤務をしていた。彼らは、田舎の子供たちと遊びつつ(さぼりつつ)も、しっかりと地域の住民を守っていた。そんな彼らは、警察の本部から忍び寄るモンジュをターゲットにした陰謀に巻き込まれていく。

感想

人間っぽいけど、人間の微妙な機微が分からないモンジュを中心に繰り広げられる、珍騒動を描いた漫画です。表情豊かで愛くるしい外見のモンジュは、ロボットなのに、おバカさんです。でも、住民の安全だけは最優先で守っています。そんな彼の相棒の山岸もバカなのですが、やるときはしっかりやる男です。神谷もロボットオタクの極みでネット中毒ですが、いざとなったらとても頼りになります。そんな彼らがいる交番は本当に楽しそうです。こちら葛飾区亀有公園前派出所を思わせる話ですが、主要キャラの3人がみんな癖がありすぎる点で大きく違います。

この作品、モンジュの常識の欠如がもたらすシュールな笑いがいたるところに多々あります。ロボットだからちょっとしたことが分からず、それによって引き起こされる非常識な行動がとても面白いです。それに油を注ぐ山岸も大人気ないですが、住民の安全を守るという根本はブレないので憎めないです。地域の子供と楽しく過ごしている彼らは、警官のあるべき姿を体現しています。

作品の後半は、警察本部も多く登場したり、他のロボットとのバトルもあったりと戦闘シーンも増えていきます。モンジュの扱いもどんどん変わっていきます。そんな激しく変わる状況でも、仲間としての距離感を保って行動する山岸や神谷には好感が持てます。コメディと思いきやドラマ的な要素も多々ある作品です。

また、この作品では、巻を重ねる毎に、宮下先生の画力が飛躍的に向上します。もともと動きの表現に優れた漫画ですが、各登場人物も魅力的に描かれるようになります。ここまで動きと絵柄の両方が完成された作家は珍しいです。個性的なキャラクター、シュールな笑い、激しいアクションシーン、ホームドラマすべてが、うまく描かれた名作です。

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