宮下裕樹「リュウマのガゴウ」全10巻

5.0

「リュウマのガゴウ」のあらすじ・感想を紹介します。

あらすじ

高度な文明が失われ、汚染された大地や海が広がり、異形の怪物である白皮(はくひ)が跋扈して人を襲う世界、人々はリュウマという英雄の噂話に縋る。そのリュウマは、武芸に秀でた者が数百年の長きに渡って受け継いできた雅号であり、希望の象徴であった。過去から現在に至るまでの多くのリュウマが託してきた想いを背負い、最後のリュウマは世界の人々を救うために何を成し遂げるのか。オムニバス形式のディストピアが綴られます。

感想

大変良く練られた設定の物語です。宮下裕樹先生の作品にしては珍しく、かなり風呂敷の広い作品で、しかもコメディ抜きです。バラバラの時系列で複数の人物視点で物語が繰り広げられるため難解で、最初はストーリーが分からないかもしれません。しかし、これほど面白い作品もなかなかありません。最初はリュウマが白皮を退治する話かと思っていたら、天まで届く柱とその管理者の厄災のジンを倒す話にスケールアップして、さらに神洲倭(かみすわ)とミズガルズという2つの国家の対立という要素も加わってきます(読んでいくと分かってきます)。

そして、登場人物もストーリが進むにつれて増えていきます。ただ、人物の描き分けがしっかりとできており、違和感なく話に没頭できます。読まないとわからないですが、リュウマ達だけでなくミズガルズの10蓮隊将もいい味を出しています。ただし、多くの登場人物は亡くなりますので、そういうシーンに耐性がないと辛いですね。

大風呂敷の漫画ですが、作品の根底にあるのは、千年の汚名を背負うことを厭わず、たった一人で人類を滅亡から救った男の想いが、リュウマという名で受け継がれていくことです。様々な想いやモノが次代のリュウマ達に受け継がれていき、それが実を結ぶシーンは心動かされます。

作者の宮下先生は絵が綺麗なだけでなく、動きのあるアクションシーンも上手く描かれています。リュウマのガゴウは戦闘シーンが多めなので、そういうアクションを求めている方にはとてもお勧めできます。なお、宮下先生が描く人物は重心の移動まできっちりと表現されており、よりリアルな戦闘シーンを味わえます。

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