原作:杉井光、作画:松井勝法「天竜牌」全3巻

「天竜牌」のあらすじ・感想を紹介します。

出典:天竜牌

あらすじ

高校生の天ヶ崎達也は、失踪した父が残した雀荘を姉の燈子(とうこ)と妹の風子(ふうこ)と共に切り盛りしていた。とある日、そこに花竜(ファロン)という謎の女性が現れ、父の借金である80億を肩代わりするように達也に強要する。そして、さらに借金を完済するために、奇妙なサイコロを振るように達也を促す。サイコロを振ってしまった達也は、手に麻咒(マントラ)の力を宿し、異空間で行われる麻雀「天究牌」にプレイヤーとして参加することになる。天究牌では、巨額のお金やプレイヤーの生死が掛けの対象となっており、達也はそこで苦戦しつつも、勝利を重ねていく。

出典:天竜牌

感想

一風変わった麻雀漫画です。一般的に、麻雀漫画は超常現象とは無縁のものです。しかし、この麻雀漫画では、麻咒というチート能力が登場します。対戦者は、元々の麻雀の技能だけでなく、麻咒もうまく使って、相手を出し抜かなければなりません。ただし、麻咒はそれほど万能ではなく、麻雀の基本ルールを逸脱できないという制約があります。結局は、麻咒というスパイス的な要素はあるものの、極限の精神状態で状況把握をして対抗手段を組み立てていく、という麻雀漫画のテンプレに沿った内容になっています。 なお、異空間ということで、麻咒発動の演出が派手に行われ、アクション漫画のように盛り上がります。ヒロインの紅音の麻咒「絶輪」の発動シーンは、かっこいいですよ。

出典:天竜牌

この作品、達也や家族だけでなく、対戦相手であってもキャラの掘り下げが丁寧に行われて、感情移入できるようになっています。なぜか達也の対戦相手は女性ばかりなのですが、彼女たちが天究牌をせざるを得ない不幸な事情がしっかりと語られます。特に最初の対戦相手で、後に共闘するヒロインの紅音は、優しい心を押し殺して過酷な道を歩んでおり、深く共感できます。

なお、日常生活では、ヒロインである紅音との掛け合いや、家では元気はつらつの姉妹と楽しく過ごす場面も描かれており、陽気な場面も多々あります。また、松井先生の絵は、女性が魅力的に描かれており、紅音だけでなく、燈子と風子の姉妹タッグもキャラが立っていて、惹きつけられます。しっかりとした設定と絵で、緩急ある展開がみられる良作です。

出典:天竜牌

最後に、残念ですがこの作品は打ち切りで、達也の活躍を全て見ることはできません。ただし、最終話はしっかりまとまっており、ストーリー全体としても満足できるレベルにあります。また、第一話の冒頭も考慮すれば、今後の展開もおおよそ推測できるようになっています。以下、最終話の終わり方がよく分からなくて、もやもやしている方のために、最終話直後の展開を解説しています。漫画を読み終わった方だけ見てください。

最終話の天究牌の卓には、席が2つしかなく、紅音と達也がその席に向かっています。つまり、彼らはお互いの命を懸けて対戦させられるのでしょう。結果として、紅音が達也に負けます。というのも、第一話の冒頭での達也が天究牌で勝利するシーンは、紅音との対戦以降だと考えられるからです。最終話の直後にヒロインの紅音が亡くなるので、むしろ、ヒロインが亡くなる前に、話を閉じられたと考えることもできます。

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