原案:コザキユースケ、漫画:宮下裕樹「東京カラス」全10巻

5.0

「東京カラス」のあらすじ・感想を紹介します。

あらすじ

10年前の地脈の綻びをきっかけに、超常現象が急増した東京で、大日本帝国陰陽寮歴道選定方の大島田家を勘当された高校生の大島田満子(みつこ)は、都市伝説研究会を立ち上げ、霊能力が無いながらも、人面犬の滝川信吾(しんご)と、超常現象にまつわる事件を慈悲と慈愛に満ちた方法で解決していた。そんなとき、満子は、地脈綻びと関わりのある八咫烏の井黒巴(ともえ)と再会し、さらに人面瘡を患った童貞男(さだお)、改造人間の山田太郎、顧問の毒島さえ子が研究会に加わった。そして、満子と研究会のメンバーは、超常現象を解決しつつ、実家や分家の思惑にも巻き込まれていく。

感想

この漫画は、根は真面目で優しい主人公の満子と周りの仲間達との信頼関係が構築される様子を楽しむ作品です。読み始めのときは、貧乏で自己中心的な満子がお金のために都市伝説研究会を立ち上げ、依頼を手段を問わず解決していく話にしか見えませんでした。こんな、守銭奴で傍若無人な主人公でいいのか、と思ってしまいます。しかし、読み進めるにつれて、満子は自分が引き起こした10年前の地脈の綻びの責任をとるために、都市伝説研究会をつくり、霊能力を失った身で、綻びが引き起こす超常現象を解決するために尽力していることが分かります。さらに、そもそもその地脈の綻びは、満子が、地脈の封印のために生贄になるはずの2羽の八咫烏を友達(下僕)にして逃がしたため引き起こされたものであることが分かります。このような過去が明らかになるにつれ、満子のほんの少しだけ見せる優しさがぐっとくるようになります(いわゆるツンデレですね)。そんな満子に対して、八咫烏の巴は最初から信頼を寄せており、周りの仲間(下僕)たちも最初は疑問の目で見ていたものの次第に認めていきます。その周りの反応が少しずつ変わっていく様子が、この作品の一番の見所です。前半は、分家の娘で容姿端麗文武両道のクリスティーヌ春子の方が主人公っぽかったですが、最後には、満子の方が魅力的な主人公と思えるようになっていました。

この作品の他の見所は、アクションシーンです。宮下先生は、動きの表現が非常に巧みな漫画家で、この作品で幾度となく登場する戦闘シーンも迫力がありました。特に、大島田家の二人の娘(満子と春子)が、刀とサーベルを所持しているので、激しい剣戟が何度も楽しめました。

ストーリーの後半は、大島田分家の陰謀や絶対神のデイダラボッチの登場など加速度的に盛り上がってきます。そして、霊能力が満子に戻り、本当の八咫烏が登場するときが最高潮になります。ストーリー、キャラクター、アクションシーン、すべてに満足できる作品でした。

ところで、原案はコザキユースケ先生となっています。コザキ先生は漫画(烏丸響子の事件簿)やゲームのイラストでとても有名な方で、宮下先生と仲良しです。東京カラスは、以下の表紙のコザキ先生の連載+同人誌(現在はどちらも入手不可)が元になっていますが、原案とキャラクターデザインまでということで、宮下先生のオリジナル漫画として紹介しました。

出典:東京カラス(コザキユースケ)

ちなみにはじめの方の巻の表紙は、宮下先生ではなく、コザキ先生が色塗りも含めて描いているそうです。以下の1巻の表紙などは、コザキ先生のイラストそのものです。

なお、既刊一覧は、Amazon Kindleまたは楽天Koboで確認できます。

同じ作者の作品

宮下裕樹「強制ヒーロー」全3巻
「強制ヒーロー」のあらすじ・感想を紹介します。
宮下裕樹「リュウマのガゴウ」全10巻
「リュウマのガゴウ」のあらすじ・感想を紹介します。
宮下裕樹「正義警官モンジュ」全12巻
「正義警官モンジュ」のあらすじ・感想を紹介します。

その他の傑作漫画は、下記にまとめています。時間があればどうぞ。

絵が綺麗で面白いおすすめオリジナル漫画まとめ(完結多めでKindleなどの電子版対応)
綺麗な絵で描かれた面白いオリジナルストーリーの名作漫画を厳選して紹介します。あらすじ、感想(レビュー)、試し読みの情報があります。また、Kindle等の電子版に対応しており即読み可能です。

コメント