武富智「The Mark of Watzel」全1巻

5.0

「The Mark of Watzel」のあらすじ・感想を紹介します。

あらすじ

大ヒットTVドラマ、怪傑ワッツェルで主演のワッツェルを演じた元人気俳優のジェイソンは、過去の栄光の影もなく詐欺師に身を落として生活をしていた。そんなジェイソンは、ある日、製薬会社の社長であるダスティに、ワッツェルとしてダスティの娘のエリンを騙すように依頼される。そのエリンは、脳が悪性の腫瘍に侵され余命半年未満で施しようがない状態にあった。しかし、心理療法士のスズキによれば、サイモントン療法という患者の信じる力を免疫力向上に変換することでエリンを治療できる可能性があるとこのとであった。ジェイソンは再び怪傑ワッツェルを演じ、エリンのイメージの中にある怪傑エリン(白血球)が兵隊(腫瘍)に打ち勝つように訓練を始める。一方で、エリンを中心として、ジェイソン、ダスティ、スズキはそれぞれ自身が抱える問題を見つめ直していく。

感想

この漫画では、現実世界、想像力が豊かなエリンの頭の中の世界、それぞれで物語が進行します。

そして、現実世界の大人の男たちの心境の変化がこの漫画の見どころです。ジェイソン、ダスティ、スズキは、それぞれ自分を信じることができない、お金しか信じられない、誰かに信じてもらえない、というあきらめにも似た考えを持っています。大人になる過程で失敗した経験を積んでいるためです。そのような彼らが、恐れ知らずで純粋な子供のエリンを救うために感情をさらけ出し、信じる心を取り戻していきます。彼らの考えが前向きになっていく過程は読んでいて心動かされます。なかなかタイトルやあらすじで想像できないですが、大人の男が信じる心を取り戻す様を描いた漫画です。

一方でエリンの世界では、怪傑ワッツェル(かつての若々しいジェイソン)と怪傑エリン(少し大人になったエリン)がおもちゃの兵隊をなぎ倒していくアクションが楽しめます。こちらは、現実世界とは異なり爽快感があります。

エリンがエリンの世界で本当は何を望み、その望みに現実世界はどう答えるのか……。最後のクライマックスで大きく動く物語は、かなり盛り上がります。作者の武富智先生はストーリーを作るのが上手いなあと感心します。

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